昨年だっと思いますがある日本の企業がDITAの導入を検討していて最終的に別のアーキテクチャを採用したというような話を聞いたことがあります.「DITAはむつかしすぎる」というのがその理由とのこと.それ以来ずっと頭の隅でくすぶっていたのですが、本当にDITAはむつかしいのか?ということです.
昨年11月にミュンヘンで開催されたDITA Europe 2015に行かさせてもらいましたが、2日目の最後にEliot Kimberさんの
Why Is DITA So Hard?
Understanding why people who are new to DITA are often overwhelmed when it's not really DITA's fault
何故DITAはかくもむつかしいのか?
DITAの初心者が本当の原因はDITAのではないのにいつも苦しむ訳
と題したセッションがありました.出かける前から聞こうと思ってマークしておき、こちらのセッションに参加させていただきました.(でも意外と参加者は少なかったです.もう一つのセッションに行ってしまったのかもしれません.)
ではどのような内容だったのでしょう.
DITAはオーサリングも、処理するのも.管理するのも難しい!
それはDITAの責任か?
答えはNO! それはDITAではなく「技術ドキュメント」そのものの責任である.
一瞬エッ!と思いました.続けますと
DITAは複雑な技術文書固有の複雑さを表に出し、それを明白なものとする.
DTPやDITA以外のシステムはこの複雑さを解決しない.
とされます.確かにWordで書いても技術文書はむつかしいのですが、Wordは単に叙述的に最初から最後まで書くしかなく、複雑なものはそのまま文書のなかに閉じ込められます.それをどうしようと考える術はありません.ただ書くだけです.
DITA文書を根本的に構造化し管理する従来とはまったく別の方法である.
DITAでなすべきことは複雑である.
しかしそれは技術文書そのものが難しいことを反映している.
DITAは多くの特徴を持っている.これらは他のXML言語やXMLアプリケーションでは決して成し遂げることはできない.
ではどうするか?KimberさんはここでDITAに「合気道」を適用しようと提唱します.ちょっとビックリ!(Kimberさんは相当合気道に入れ込んでいるようです)以下は合気道を紹介した箇所と、その適用について説明した箇所のスナップです.
実は、こんどの1月21日(早朝)にCOM Tech主催で、無料でKimberさんのWebnarが開かれます.題目から見て、このDITA Europe 2015の内容に近いか、それを発展させたものでしょう.
Why Is DITA So Hard? Understanding the link and configuration management challenges inherent in technical documentation.
夜中の2時でかつ英語というのはハードルが高いですが、是非ご覧になって損はないと思いますがいかがでしょう?私はこのような時は定時で帰って食事をしたらすぐ目覚ましをかけて寝てしまします.時間になったらもぞもぞと起きて毛布を羽織って聞くことにしています.(次の日の会社は眠いですが...)